業務用コーヒーミルとは？特徴・種類や選び方を解説

2024/10

コーヒーを提供する店舗では、「コーヒーミル」を使う場合があります。本記事では、そもそも「コーヒーミル」とは何かという基礎知識に加えて、新規購入時や買い替え時に知っておきたい「選び方」についても解説します。店舗に業務用のコーヒーミルを導入したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

コーヒーミルとは

そもそもコーヒーミルとは何かについて、次のポイントから解説します。

• コーヒー豆を粉砕する器具のこと
• コーヒーミルとグラインダーはほぼ同じ

コーヒー豆を粉砕する器具のこと

「コーヒーミル」とは、コーヒー豆を粉砕する器具のことを指します。コーヒーミルの「ミル（mill）」には、粉砕するという意味があります。コーヒー豆からコーヒーを淹れる際は、基本的にはコーヒーミル、もしくは同等の機能のあるものが必要です。

コーヒーミルとグラインダーはほぼ同じ

コーヒーミルとグラインダーは、コーヒー豆を粉砕する器具という点では同じで、実際のところ両者は区別されないことが多いです。一般的には手動でコーヒー豆を挽くものは「コーヒーミル」、電動のものは「グラインダー」と呼ばれる傾向があります。

なお、エスプレッソに対応したものは「エスプレッソ用グラインダー」と呼ばれており、パウダー状にできる「極細挽き」に対応していることが特徴です。

コーヒーミルの代表的な種類

業務用コーヒーミルにはさまざまな種類のものがあります。以下では、業務用に用いられる電動式を中心に解説し、最後に手動式コーヒーミルについてまとめています。なお、電動グラインダーを「業務用コーヒーミル」と呼ぶことがありますが、前述したようにコーヒーミルとグラインダーに厳密な違いはありません。

電動式

電動式のコーヒーミルは、自動でコーヒー豆を粉砕できるタイプで、主に次の4種類のものがあります。

• コニカルカッター
• フラットカッター
• ブレードカッター
• ロールグラインダー

コニカルカッター

「コニカルカッター」は、円錐形のカッターを使用したコーヒーミルで、「コニカル（conical）」は円錐形を意味します。円錐形のカッターが回転し、その歯と歯の隙間をコーヒー豆が通過することで粉砕する仕組みです。歯の隙間の距離を調整することで、挽き目を柔軟に変更できることが魅力です。

フラットカッター

「フラットカッター」は、向かい合ったフラットなカッターで豆を挟み、回転させることでコーヒー豆を粉砕するタイプです。カッターとカッターの隙間を調整することで、コニカルカッター同様に挽き目を柔軟に変えることができます。

ブレードカッター

「ブレードカッター」は、プロペラ状に配置されたブレードで、コーヒー豆を粉砕するタイプです。ブレードの位置や幅が固定されているため、細かな調整が難しく挽き目も不均一になる傾向があります。業務用コーヒーミルのなかでは低コストですが、雑味の原因となる微粉が発生しやすいため、コーヒーの品質を重視する店舗にはあまり向いていません。

ロールグラインダー

「ロールグラインダー」は、2本の棒状のカッターの隙間をコーヒー豆が通過するときに挽くタイプです。粒度の均一性が最も高いため、コーヒー豆の風味を引き出しやすく、粉砕速度も高い傾向があります。

手動式

手動式のコーヒーミルは、手作業でハンドルを動かしてコーヒー豆を挽くタイプです。手動により細かな調整がしやすいため、コーヒーの品質を重視する場合や、コーヒーの提供時間にゆとりのある店舗などに向いています。一方で、コーヒーの提供に時間がかかるため、顧客の回転率を重視する店舗にはあまり向いていないでしょう。

業務用コーヒーミルの活用シーン

業務用コーヒーミルは、次のようなシーンで活用されています。

• レストランなどの飲食店
• カフェやコーヒースタンド

レストランなどの飲食店

コーヒーを提供する飲食店では、良質なコーヒーを提供するために業務用コーヒーミルを活用しています。提供する食事に合わせて豆の挽き方の調整ができるため、幅広い料理にも合わせられます。また、店舗オペレーションも重要になるため、高品質なコーヒーをスピーディーに提供するためにも、業務用コーヒーミルが欠かせません。

カフェやコーヒースタンド

コーヒーをメインで販売する場合は、豆の種類はもちろん挽き目や焙煎度にもこだわり、豊富なメニューを提供する必要があります。業務用コーヒーミルを導入することで、コーヒー豆の挽き目を臨機応変に調整して、高品質なコーヒーを提供しやすくなります。

店内にカウンターのみ設置する場合や、テイクアウト専用の「コーヒースタンド」でも、業務用コーヒーミルが活用されています。コーヒーの品質を維持しながら待ち時間を削減するために、業務用コーヒーミルが便利です。

業務用コーヒーミルを選ぶポイント

業務用コーヒーミルを導入する際は、次のようなポイントを意識して選びましょう。

• 操作性が高く扱いやすいか
• メンテナンスしやすいか
• 自店舗の用途に合っているか
• コーヒーマシンも検討してみよう

操作性が高く扱いやすいか

せっかく業務用コーヒーミルを導入しても、扱いにくいとコーヒー提供スピードが低下してしまいます。たとえばカフェやレストランでは、落ち着いた雰囲気を演出するために照明が控えめな場合もあるため、LEDなどの手元が見やすいものを選ぶことも大切です。

メンテナンスしやすいか

業務用コーヒーミルは定期的なメンテナンスが必要です。コーヒー豆に含まれる油分は酸化の原因になり、定期的にメンテナンスしなければ、コーヒーの酸味や雑味につながってしまうためです。メンテナンスしやすい業務用コーヒーミルを選ぶことで、日常的なお手入れのハードルが下がるでしょう。

自店舗の用途に合っているか

コーヒーミルには手動と電動のタイプがありますが、お店の回転率に合わせて選ぶとよいでしょう。たとえば回転率の高いお店の場合は、電動コーヒーミルがおすすめです。手動コーヒーミルの場合は、手作業でコーヒー豆を挽く時間がかかるため、電動に比べて提供時間が遅くなります。

コーヒーマシンも検討してみよう

業務用コーヒーミルではなく、「業務用のコーヒーマシン」を導入するという方法もあります。コーヒーマシンであれば、コーヒー豆や水をセットするだけでコーヒーを淹れることができます。「コーヒー豆を挽いて抽出する」工程が自動化できるため、コーヒーミルを活用するのに比べて効率的なコーヒーの提供が可能です。

たとえばカプセル式のコーヒーマシンを選ぶと、新鮮なコーヒーをワンタッチで淹れられるようになり、回転率の高い忙しいお店でもスムーズにコーヒーを提供できるでしょう。