業務用エスプレッソマシンとは？選ぶポイントや種類を解説

2024/10

カフェやレストランなどでコーヒーを提供する際、コーヒーの品質にもこだわりたいところです。そのためには良質なコーヒー豆はもちろん、業務用エスプレッソマシンの導入も必要になります。しかし、業務用エスプレッソマシンの種類や選び方に迷うこともあるでしょう。そこで本記事では、業務用エスプレッソマシンの種類や選び方について解説します。

業務用エスプレッソマシンの種類

業務用エスプレッソマシンとは、エスプレッソを淹れることに特化したマシンです。コーヒー豆を高圧で一気に抽出する、伝統的なエスプレッソの抽出法を採用しており、コーヒー豆本来の風味を引き出せます。家庭用エスプレッソマシンと比べるとマシンのサイズ自体が大きく、より本格的な味わいのエスプレッソを抽出できる点などが違いとして挙げられます。

業務用エスプレッソマシンは、主に次の3種類に分けられます。

• 全自動タイプ
• セミオートタイプ
• 手動タイプ

全自動タイプ

「全自動タイプ」の業務用エスプレッソマシンは、コーヒー粉をセットするだけで抽出できます。製品によっては、コーヒー豆からでも抽出できるため、高品質なコーヒーを簡単に淹れられます。手間をかけず一定の品質を保てるため、オーナーひとりで経営するカフェやコーヒースタンドはもちろん、混雑するレストランでの提供にも向いています。

セミオートタイプ

「セミオートタイプ」の業務用エスプレッソマシンは、抽出の工程のみ自動で行うもので、業務用エスプレッソマシンはこのタイプが多いです。抽出前に手動でコーヒー粉の調整や蒸らしの作業を行う必要があり、全自動タイプと比べると一定の手間とスキルが必要です。
好みの風味に調整できるため、独自性をアピールしたいカフェやコーヒースタンドなどに向いています。

手動タイプ

「手動タイプ」の業務用エスプレッソマシンは、コーヒー粉のドーシングやダンピング、蒸らしから抽出などすべてを手作業で行う必要があります。レバー操作で圧力をかけて抽出する工程がとくに難しく、スキルや経験がコーヒーの風味に直結します。

こだわりの味わいを提供したい方には手動タイプもおすすめです。ただし、コーヒー1杯を淹れるのに時間がかかるため、コーヒーの提供数や回転数が高い店舗の場合は注意が必要です。

業務用エスプレッソマシンを活用するためにこだわりたいアイテム

カフェやレストランで業務用エスプレッソマシンを活用するためには、次のようなアイテムや技術にもこだわると良いでしょう。

• コーヒー豆
• エスプレッソグラインダー
• ラテアート技術
• 提供カップ

コーヒー豆

風味豊かな美味しいコーヒーを淹れるためには、まずコーヒー豆にこだわることが大切です。コーヒー豆は産地・焙煎度合い・ブレンドの割合などによって、酸味・苦味や香りに変化が生じます。

コーヒー豆の代表的な産地は、ブラジル・コロンビア・グアテマラ・エチオピアなどが有名ですが、エスプレッソの本場のイタリア産のコーヒー豆もおすすめです。複数のコーヒー豆を取り揃えることで、顧客の多様な好みにも対応できます。

エスプレッソグラインダー

「エスプレッソグラインダー」もしくは「コーヒーミル」は、コーヒー豆を挽くための器具です。エスプレッソグラインダーの特徴は、エスプレッソを淹れるために最適な「極細挽き」に対応していることです。

手動のエスプレッソグラインダーは時間と手間がかかりますが、細かな調整ができるため、こだわりのエスプレッソを提供したい場合におすすめです。エスプレッソを淹れる頻度が高い場合や回転率が高い店舗では、電動式を選ぶほうがコーヒーを効率的に提供できます。

ラテアート技術

エスプレッソでカフェラテを提供するのであれば、ラテアートの技術を磨いておくと便利です。魅力的なラテアートを表現することで、カフェやレストランの人気を高められるでしょう。

提供カップ

店内飲食用のカップやテイクアウト用のカップなども、店舗の雰囲気やこだわりを演出しやすいポイントです。カフェのコンセプトやメニューの種類に合わせて、デザインやロゴはもちろん、サイズや飲み口の形状などを工夫してみましょう。

業務用エスプレッソマシンを選ぶポイント

業務用エスプレッソマシンを選ぶ際は、次のようなポイントを意識しましょう。

• 気圧
• ミルクフォーマー
• カップウォーマー
• メニュー機能やメモリー機能
• 提供時の手間や時間

気圧

風味豊かなエスプレッソを淹れるためには気圧が重要なので、業務用エスプレッソマシンの導入時に確認しておきましょう。高い気圧で一気に抽出することで、コーヒー豆本来の風味が引き出せるうえに、濃厚なクレマも出るためラテアートを重視したい場合にも大切です。

ミルクフォーマー

ミルクフォーマー機能がある業務用エスプレッソマシンを選ぶと、自動でミルクを温められます。ミルクがすぐに泡立つのでラテアートが作りやすく、魅力的なカフェラテやカプチーノを淹れやすくなるでしょう。さらに、フロッサー付きの機種を選ぶとミルクが自動的に攪拌されるので、ふわふわのミルクフォームが簡単に作れます。

カップウォーマー

カップウォーマー機能がある業務用エスプレッソマシンを選ぶと、コーヒー提供前にカップを温められます。コーヒーが冷めにくくなるため、顧客がコーヒーの風味をより長い時間楽しみやすくなるでしょう。ただし、カップウォーマー機能で温められるカップ数は限られる点に注意しておきましょう。

メニュー機能やメモリー機能

さまざまな種類のコーヒーを提供したい場合は、メニュー機能やメモリー機能付きの業務用エスプレッソマシンがおすすめです。

メニュー機能は、数種類のドリンクをボタンひとつで作ってくれます。メモリー機能は、レシピごとの細かな設定をマシンが記録するため、どの担当者が淹れても同じ風味のコーヒーになることが魅力です。また、テーブルやカウンターなどからキッチンが見える店舗の場合は、デザインを重視して選ぶのもよいでしょう。

提供時の手間や時間

ドリンクの提供にどれくらいの時間をかけられるのかによって、選ぶべきエスプレッソマシンが異なります。1杯ずつ時間をかけて提供が可能なのか、それともスムーズな提供が求められるのかなど、店舗の特性をふまえた選定が必要です。