
COLUMN
2023.10.10
コーヒー原産国 ブラジルについて
ブラジルを訪れた際に私が伺ったカフェでは、ネルドリップされたコーヒーが提供されていました。まろやかでバランスの取れた味わいの飲みやすいコーヒーで、そのお供には一見シュークリームのようなお菓子が用意されていました。

シュークリームと思って一口いただくと、甘味とは正反対の塩味。そしてチーズの風味。そう、それはシュークリームではなく、ポンデケージョというブラジルでは大変ポピュラーな、いわゆる“チーズパン”なのでした。パンとはいっても、丸くて小ぶりで非常に軽やか、もちもちした食感です。焼きたてのポンデケージョと一緒にコーヒーをいただくことは、ブラジルでは日常の習慣として定着しているようです。

ブラジルは非常に広大な国で、その面積は世界第5位を誇ります。コーヒー生産地を訪れる際には、サンパウロからセスナに乗って向かいました。
最初に訪れたコーヒー農園は少し標高の高い場所にあり、農園の周りだけでなく、農園内にもコーヒー以外の木々がたくさん存在していました。勾配は中米のコスタリカの農園とは大きく異なりますが、緩やかながらもアップダウンがあります。

森のような様子を呈したたくさんの木々がある場所に行くと、聞き慣れぬ規則正しい音が聞こえてきました。それはキツツキが一生懸命木をつついている音でした。
そのコーヒー農園は、ネスプレッソに毎年コーヒーを供給してくださる農園であると同時に、ブラジルの「カップ・オブ・エクセレンス」で見事優勝を果たした農園でもあります。農園主の方は、このように仰っていました。『カップ・オブ・エクセレンスで優勝をしたことにより、世界の様々な方からコーヒー豆の購入の申し込みがありました。それでも私がつくるコーヒー豆の大半はネスプレッソにお譲りしています。その理由は、⾧年に渡るネスプレッソとの信頼関係があるからです。』

ネスプレッソのAAA サステナブル・クオリティ(持続可能品質)™ プログラムでは、ネスプレッソは生産者の方々と協働して素晴らしい品質のコーヒーづくりを行っています。例えば、コーヒーの苗木を供給したり、栽培の過程で問題が生じたときは、一緒に考え、問題解決に取り組みます。また最近では、森林農業を促進するなどして、高品質のコーヒーを⾧期的に供給できるよう一層努めております。
ネスプレッソと生産者の方々は契約関係にあるのではなく、良きパートナーとしてお互いが存在しているため、収穫したコーヒー作物をどこに、誰に販売するかを決めるのは生産者の方の自由です。それでもブラジルに限らず、ネスプレッソ AAA サステナブル・クオリティ(持続可能品質)™ プログラムに参加してくださっている生産者のほとんどの方々が、その素晴らしい品質のコーヒーをネスプレッソに譲ってくれています。

次に訪れたコーヒー農園の様子は全く異なるものでした。広くてなだらかな農園、という印象でした。何列も何列も続くコーヒーの木の畝を見て回っていると、永遠に続くのではと思うほどの広さです。自分の目で農園全体を見渡すのに一番手っ取り早いのは、気球に乗って見渡すという方法です。そのように広大な農園ですが、風よけのためにコーヒー農園の周りに高木が植えられていたり、コーヒー農園の一角では剥ぎ取ったコーヒーチェリーの外皮でたい肥をつくったりもしています。また、農園主が生活をする家の周りには手入れの行き届いた色とりどりのブーゲンビリアが咲いていて、色鮮やかでとても活気があり、コーヒーの木を含めた植物との共生が見事に根付いている様を見ることができました。

農園での作業の合間のコーヒーブレイクの際には、たくさんの手作りのお菓子が用意され、生産者の方々が楽しく語り合い、笑顔と笑い声のあふれる、明るく楽しく賑やかな時間が流れていました。
そのような心温まる体験から、今回はリオデジャネイロ エスプレッソを使ったデザートをつくってみました。
おすすめレシピ
デセール カフェジーニョ

ほろ苦いコーヒーと口あたりまろやかなマスカルポーネチーズがリッチなハーモニーを奏でます。そこに生クリームが加わることで、ふわりとした軽やかさを与えてくれます。
香ばしくローストしたクルミと、ほんのりとしたコーヒーの焙煎香と苦みが大人のデザートを完成させてくれます。カリッとしたクルミの食感とエアリーながらも濃厚なクリームのマリアージュは、お互いを必要とし、かつ、お互いを高め合っている恋人同士のようです。こちらのデザートをいただいた後に、リオデジャネイロ エスプレッソをくっと飲み干すと、しっかりとした苦みが口中で重なり、後味にハーブのような香りも感じられ、記憶に残る大人のマリアージュ体験をご堪能いただけます。
「カフェジーニョ」とは、“小さなカップで飲むコーヒー/小さいコーヒー”の意味のポルトガル語で、ブラジルの方々が日常的に好み、楽しんでいるコーヒーのことを言います。
デセール カフェジーニョ
[ 材 料:1人分 ]
- リオデジャネイロ エスプレッソ
(オリジナル カプセルコーヒー):1個 - マスカルポーネチーズ:50g
- 生クリーム:100ml
- お砂糖(生クリーム用):6g
- アガベシロップ:15ml
(10mlと5mlに分けておく) - クルミ(ロースト):適量
- フレッシュタイム: 適量
- コーヒー豆型チョコレート:1粒
[ 道 具 ]
- オリジナル コーヒーメーカー
- リヴィール エスプレッソグラス マイルド
[ つくりかた ]
- 耐熱容器にリオデジャネイロ エスプレッソをリストレット(約25ml)で抽出し、よく冷ましておきます。
- マスカルポーネチーズに1とアガベシロップ(10ml)を加え、よく混ぜます。
- 生クリームにお砂糖を加えて角が立つまで泡立てたら、2を加えゴムベラでよく混ぜます。
- リヴィール エスプレッソグラス マイルドの底に砕いたクルミをしきつめアガベシロップ(5ml)を加え、その上から3を絞りだします。
- コーヒー豆の形のチョコレートとタイムをトッピングして、できあがりです。
世界最大のコーヒー生産国の1都市の名前を冠したこちらのコーヒーでは、生産者の方々に敬意を表し、ブラジル産アラビカ種コーヒーを100%使用しています。この広大な国においてコーヒーの味わいは様々であり、その複雑性をリオデジャネイロ エスプレッソで表現しました。
セラード地域、エスピリトサント州そしてパルプトナチュラル精製で有名なミナス・ジェライス州のブルボン品種コーヒーをブレンドしています。ウォールナッツやサンダルウッドのような香り、タイムやローズマリーを想わせるハーブのような香り、そして心地よい苦味とベルベットのような口あたりを楽しめるコーヒーです。