
COLUMN
2025.3.10
ペルー オーガニックについて
ネスプレッソが、ペルー産コーヒーを100%使用したカプセルを初めて発売したのは、2015年のことでした。それは、ペルー セクレートという名前のカプセルコーヒーで、力強い味わい、ココアのような香り、絹のようになめらかな口あたりで、発売後まもなく売り切れてしまうほどの人気のコーヒーでした。

このコーヒーをつくるために、ネスプレッソのコーヒーエキスパートたちは発売前年の2014年に、ペルーの地を訪れました。山道を分け入り急勾配を登り、アンデスの急斜面に押し込まれるようにして栽培されていたコーヒーをみつけました。それが、ネスプレッソが出会ったペルーのコーヒーでした。そしてこのコーヒー、栽培されている環境や状況、その土地の伝統を深く理解した上で、2015年の限定コーヒー ペルー セクレートの販売に至りました。日本において、2023年9月より発売となりましたペルー オーガニックの誕生のきっかけとなったのが、この2014年のネスプレッソとペルーの出会いとも言えます。

2018年の統計ではありますが、世界のコーヒー栽培面積のほんの6.5%のエリアでオーガニック栽培が行われているとのことです。そして、ペルーはオーガニック栽培エリアの広さが世界2位であり、そのエリアにおいて、コーヒー栽培が行われている割合の高さは、世界5位です。
※出典:THE WORLD OF ORGANIC AGRICULTURE STATISTICS & EMERGING TRENDS 2020
ペルーでオーガニックコーヒー生産が盛んな
4つの理由
では、なぜペルーでは、オーガニックコーヒー生産が盛んなのでしょうか?理由は4つあります。
1つ目の理由は、ペルーには理想的なコーヒー栽培のコンディションが整っています。コーヒー生産地は、およそ標高1,600mから2,100mのアンデス山脈の高地に位置しています。標高が高いだけでなく、農園は急斜面に広がっています。それゆえ人里から離れており、また酸素濃度が低いため、昆虫の繁殖というものも防ぐことができます。
そして2つ目の理由は、亜熱帯気候による湿度の高さです。湿度の高さは、良質なコーヒーを育み、その品質の向上に役立ちます。
3つ目の理由は、小規模生産者によるコーヒー栽培です。農園の規模は、平均して約1ヘクタール(10,000㎡)です。非常に小さい規模の農園でコーヒーが栽培されているため、生産者の方々のケアが行き届きます。
そして4つ目の理由は日陰栽培が行われていることです。生物多様性が充実しているので、自生の背の高い植物によってコーヒーが守られながら育っていくという環境が整っています。ペルーは、南米の一つの国であり、隣にはコロンビア、そして南米を代表するコーヒー生産国としてブラジルがあります。

コロンビアとは国境を接していますが、コロンビア南部で栽培されるコーヒーと比べて、ペルー産コーヒーは、酸味のニュアンスがそれほど強くありません。日本人に馴染みの深い緑茶を想わせる青々とした香りや、やわらかなフルーティーさがあり、日本人の方々に好まれる味わいの要素が揃っています。
ヴァーチュオ ペルー オーガニック

ヴァーチュオのペルー オーガニックは、エスプレッソ(約40ml)サイズでの抽出です。オリジナルのペルー オーガニックと比べると、酸味のニュアンスは少し強く感じられます。コーヒーを抽出するとクレマの上から、トーストしたパンやビスケットのような甘い香りが楽しめます。クレマをスプーンでかき回すと、やわらかな口あたりがさらに強調されます。
オリジナル、ヴァーチュオの両方のペルー オーガニックに共通している点は、飲んだ後の余韻が短く、クリアな印象を楽しめるということです。そして、口あたりがとてもやわらかく、みずみずしいコーヒーであるということです。一番おすすめしたい点は、オーガニックコーヒーならではのやわらかい口あたりです。ブラックで、ミルクと合わせて、アイスコーヒーで、さまざまなレシピでお楽しみください。